仕事納め

昨日は仕事納めがあり、今日からは休みになりました。今年もいろいろなことがありました。今年一年を表す漢字には「新」が選ばれたようですが、私的には確か昨年の漢字であった「乱」のほうが当てはまるような気がしました。

今年はまずわが学部の受験者激減から始まりました。歯科医師過剰感がある上に世間一般の景気の悪さが後押しし、私立歯科大学は厳しい時代に入りました。歯科医師不足だった昭和40年代、多くの歯科大学が設立されましたが、今や供給過剰となり、存立の危うい大学も出てきています。何事も思う通りには行きませんが、当時の計画に無理はなかったのか、と思うのは私だけではないでしょう。出口の国家試験は厳しさを増し、4年では共用試験も行われるようになり、教育現場は大変なことになっています。大学教育というよりは試験に合格するための予備校教育となっています。講義をしていてもなにか閉塞感を感じます。

民主党の政権交代もありましたが、例の事業仕分けには参りました。科学研究費や若手研究者への支援は日本の基礎科学研究にとって大切な事業ですが、それが減らされるということは科学立国日本の将来を危うくするものです。まず減額ありきで、あのように喧嘩腰の会議となると、どうしても現実的で短絡的な議論になってしまいます。国家100年の計がまずあって、そこで個々の事業をどうするかということを議論してゆくべきであったかと思います。

政治家は選挙で選ばれたとはいえ、金やコネを背景として、たまたま選ばれたような人が多いように思います。以前の小泉チルドレンもそうだったし、今度の民主党でも同様で、政治的素質や知的能力を保証する制度を通ってきていないことが不満です。そういう人が政治を行って日本の進路を決めてゆくことにどうも矛盾を感じます。現実の日本は産業界にしても学会にしても、それぞれの分野の優れた人々や多くの人の努力によって進んでいるわけですが、政治はその後追いをしているだけのように見えます。どの分野にもスターと呼ばれる人がその時々に出てきますが、政治の世界にはスターと呼んでも良いような人がしばらく出てきていないように思います。政治の世界こそ人材が不足しているように思います。

日大ボート部の全日本制覇。私の中ではこれが今年最高の出来事でした。このブログでも紹介しましたが、大学勢が社会人を下して日本一になったことはボート界の快挙でした。地味なボートの世界ではありますが、これを契機に日本のボート界がさらに活性化され、それこそ、世界に飛躍するスターを生んで欲しいですね。

人類学をやるものとしては、今年の科学分野でラミダス猿人の発見が世界的な科学上の大発見であったことも嬉しいニュースでした。アメリカの科学誌Scienceが、2009年の科学的進歩ベストテンの第1位にあげたのがエチオピアで発見された440万年前のラミダス猿人の化石の報告と研究でした。この研究プロジェクトはアメリカのホワイト教授を中心とするものですが、東京大学の諏訪教授が発見した歯の化石がきっかけとなっています。アフリカの古人類関連の発見に関しては、初めての日本人の貢献となります。


自分のことになりますが、90歳の母の介護も大変な年でありました。ホームと入院を繰り返す日々でありましたが、介護や病院の現場をつぶさに見て、施設のスタッフがよくやってくれるのには本当に感心しました。これまであまり老人ホームについてはよく知りませんでしたが、多くの人が実に親切で、献身的に面倒を見てくれます。ありがたいことです。病院は医師、看護師、理学療法士、ソシアルワーカーなど多くの人が一人の患者に対応し、全体で治療と社会復帰を目指すということがよく分りました。今の病院は昔の病院のイメージイとはずいぶん変わりました。

というようなわけで、今年の自分の要約のようになりましたが、とにかく無事年を越せそうなところまで来ました。感謝、感謝です。

今年も多くの方がこのブログを見に来ていただきました。改めて深く感謝申し上げます。皆様方にとりまして、来年が素晴らしい年になりますよう、心からお祈り申し上げます。

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