新刊紹介 27 口腔解剖学

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口腔解剖学の新しい教科書が医歯薬出版から出ました。これまでにも口腔解剖学の教科書はありましたが、国家試験の変化、共用試験の導入、あるいはPBL教育の導入などにより解剖学の役割も変化してきました。そこで新しい知見に基づき、美しく正確なイラストを加え、今の時代の学生に合ったものを提供することになりました。全国の歯科大学の先生方が執筆しています。私も第2章を書いています。

口腔解剖学という表題ではありますが、第1編総論では全身の解剖の概論があります。歯科とはいえ、今は歯科疾患と全身との関係が注目されており、歯のことだけ知っていれば歯医者になれるという時代ではなくなりました。耳鼻科医も眼科医も全身の解剖を経験していると同じ事です。

私の執筆部分は歯科とも直接的な関係がありますが、顔や首の部位名をしっかり知っておこうということで、大きなイラストでいくつかの図を示しました。その一部は本ブログでも出したことがありますのでこちらこちらをクリックしてください。

第2編は各論で、頭頸部の骨や筋、神経、血管などの詳しい形態的説明があります。

第3篇はこれまでの口腔解剖の教科書にはあまりなかった部分で、歯科応用解剖学と題していますが、臨床との関連事項です。これは最近流行しているProblem Based Learning(PBL)を意識しています。なぜ頭頸部の解剖学をやるのか、それはこういった臨床的事柄を解決するために必要なのである、ということをはじめに提示してから、解剖学に入っていくという教育です。

以下に少し長いですが本書の内容を示しておきます。
きれいで分かりやすいイラストが多く、あまり厚くないA4版のソフトカバーは手に持って開くのには疲れない大きさです。ぜひ書店で手にとっていただき、買っていただければ幸いです。



第1編 口腔解剖学総論
 第1章 解剖学用語(脇田 稔)
 第2章 頭頸部の体表(金澤英作)
  1 頭の部位
  2 顔の部位
   1 眼窩部 2 眼窩下部 3 鼻部 4 口部 5 オトガイ部 6 頬部 7 頬骨部 8 耳下腺咬筋部
  3 頸の部位
   1 前頸部 2 胸鎖乳突筋部 3 外側頸三角部 4 後頸部
 第3章 骨学総論(井出吉信,上松博子)
 第4章 筋学総論(井出吉信,上松博子)
 第5章 関節学総論(大野紀和)
 第6章 脈管学総論(山下靖雄)
 第7章 内臓学総論(天野 修)
 第8章 神経学総論(前田健康,杉本朋貞)
 第9章 感覚器学総論(前田健康)
第2編 口腔解剖学各論
 第10章 頭頸部の骨(野坂洋一郎,藤村 朗)
 第11章 頭頸部の筋(島田和幸,田松裕一)
 第12章 頭頸部の関節(井出吉信,阿部伸一)
 第13章 頭頸部の脈管・リンパ系
 第14章 頭頸部の神経系(杉本朋貞,前田健康)
 第15章 頭頸部の内臓
第3編 歯科応用解剖学
 第16章 加齢と歯の喪失に伴う顎骨の変化(井出吉信,松永 智)
 第17章 咀嚼と嚥下(阿部伸一,井出吉信)
 第18章 骨折と筋(齊藤 力,小林正治)
 第19章 義歯と筋(阿部伸一,井出吉信)
 第20章 感染・炎症と隙(柴田俊一)
 第21章 歯科麻酔,神経痛と神経麻痺(一戸達也)
 第22章 画像解剖学(木村幸紀,岡野友宏)
 第23章 気道確保(一戸達也)
 第24章 上顎洞(高橋常男)
 第25章 口腔癌のリンパ節転移・頸部郭清術(坂下英明)
 第26章 抜歯(坂下英明)
 第27章 止血と脈拍(川崎堅三)


口腔解剖学  医歯薬出版 2009.11.9発売
脇田稔・山下靖雄 監修/井出吉信・前田健康・天野修 編 定価 11,550円


 

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