霊長空隙 2

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さて、霊長空隙というぐらいですから、サルには見られるはずです。「霊長類の霊長空隙」というのは形容矛盾のような気がしますが、「犬の犬歯」と同じで、ほかのところでつけられた名前が、本人のところに戻ってきてしまった矛盾とでもいいましょうか。

上はニホンザルとおなじ旧世界ザルに属するアカゲザルの骨格標本ですが、やはり犬歯の前後に空隙があるように見えます。上顎、下顎とも対合する犬歯が入り込むところがスペースになります。

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上顎は側切歯と犬歯の間に大きなスペースがあります。

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しかし、下顎のほうのスペースはずいぶん小さくなっています。下顎第1小臼歯が犬歯に近いために、上顎犬歯との間で切り裂きという咬み合わせ機能も働くようです。

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最後はもっと人間に近いチンパンジーです。上の石膏模型は京都大学霊長類研究所の標本をコピーさせてもらったものですが、右が上顎で左が下顎です。上顎は歯列の不正があり、犬歯の位置が左右で違っていますが、霊長空隙は明らかです。下顎はやはり狭いですが、アカゲザルよりも広く見えます。

まだ、ほかのサルもいろいろ見てみないといけませんが、一般的に霊長空隙は上顎には強く認められますが、下顎ではあまり強くないということが言えるでしょう。このことは前の記事で見たヒト乳歯列の場合、上顎のほうが頻度も多く、空隙の間隔も広いということと一致します。なかなか興味のある現象ですね。


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