舌骨

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分かりにくい骨のひとつに舌骨があります。場所はのど仏(甲状軟骨)の上、2cmぐらい。甲状軟骨中央部の突起から上にたどってゆくと少し出っ張った骨らしきものに触ります。これが舌骨体です。

この骨には舌の中に入って行く筋(舌筋)や、下顎骨などに付く筋(舌骨上筋群)が付着します。また、この骨の下方には舌骨下筋群が付着します。上の写真は少し生々しいですが、模型です(京都科学社)。舌骨が様々な筋や靭帯に取り囲まれている様子が分かります。これらの筋は口を開くときや物を飲み込む時に働きます。

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上は舌骨の骨格標本です。下顎骨のミニチュアのような形をしています。舌骨は舌骨体、大角、小角からなります。発生は軟骨性で、それぞれの部位に独立した骨化点がありますが、結合部位は大人になっても長い間軟骨が残り、骨格標本にした時はばらばらになるケースがほとんどです。この標本も、その例で、しかも小角が欠けています。完全に骨化して一体となった舌骨の写真が今はないので、とりあえずこれを掲載しておきます。完全な形はこちらをご覧ください。

舌骨は下顎骨の陰に隠れているので通常、損傷や骨折はまれですが、法医学の分野では、舌骨骨折が絞殺の決め手になります。

学名 Os hyoideum (英名 Hyoid bone) は、ギリシャ文字のυ(ユプシロン) を意味する hyoeide から来ていjます。 したがって、ラテン語を直訳すればユプシロン骨とかU字骨、あるいはY字骨とかになります。日本語学名はドイツ語の Zungenbein (舌の骨) のオランダ語訳を翻訳した解体新書の時から「舌骨」となっています。

この記事へのコメント

アデレード君
2008年06月06日 18:09
舌骨は頭蓋骨15種類に含まれていますが、他の骨との接触はありません。咀嚼、嚥下に必要な骨ですが、なぜ頭蓋骨に含まれているのでしょうか?
鰓弓に関係するからでしょうか?
松戸解剖
2008年06月09日 19:01
アデレード君ありがとうございます。
鋭い質問ですね。鰓弓由来ということが一番大きいですかね、しかし、甲状軟骨も鰓弓由来だから、それだけが理由ではないでしょう。

たぶん、下顎骨や舌に関係する筋がついていて、頭部に所属すると考えた方が便利だからと思います。
アデレード君
2008年06月09日 23:14
なるほど、講義で舌骨の位置を骨模型を使って説明できないのでなかなか学生がイメージがわきづらいのがやっかいです。

勉強になりました。ありがとうございます

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