咀嚼筋 その4 外側翼突筋

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咀嚼筋の4回目は外側翼突筋です。咀嚼筋の中では最も深く、走行の分かりにくい筋です。機能も形態も複雑です。

一般に上頭と下頭があるといわれています。起始・停止は次のようになっています。
上頭  蝶形骨側頭下稜     --> 翼突筋窩と関節包・ 顎関節円板
下頭  蝶形骨翼状突起外側板 --> 翼突筋窩

これは原則であって、実際には上頭と下頭の筋線維はまじりあっています。起始部ははっきり分かれていることが多いのですが、停止部では両頭が結合しているのが一般的です。時には一頭性であったり、また三頭性であったりします。すなわち、外側翼突筋は完全な二頭筋ではありません。中途半端な二頭筋といってよいでしょう。

機能は、1.下顎頭を前下方に出す、2.下顎頭を内側に引く、3.関節円板を前に引く、などになります。

国家試験の問題としては次のようなものがあります。

開口運動と前方運動との両方に関与する筋はどれか。
a 顎二腹筋  
b 顎舌骨筋
c 側頭筋後部
d 外側翼突筋
e オトガイ舌骨筋

答えは、開口に伴い、下顎を前下方へ動かす外側翼突筋が正解になります。ちなみに、abe は開口に関与しますが、後退を伴う、c は閉口と後退です。

この記事へのコメント

HRDP
2008年05月30日 16:09
「咀嚼筋 その4 外側翼突筋」について
Attachments and fiber arrangement of lateral pterygoid muscle is some thing students find it difficult to understand. Your illustration gives a clear understanding about that. Thank you for the illustration.
Give my best regards to every one in the department. They are always in my heart.
Mr. Anat
2008年05月31日 09:59
ありがとうございます。HRDPさん。
I just put a piece of paper in triangle shape with a cut for muscle splitting. The result is OK. Maybe better than drawing on the 2-dimensional sheet.
I gave a letter to you 2 days ago.
いちげんさん
2008年06月06日 10:54
わかりやすい写真ありがとうございます。解剖学という教授の立場ではこの解説でよいと思いますが、第100回の国家試験では「開口・閉口のいずれにも関与するのはどれか」という設問で外側翼突筋を選択することになっています。臨床生理学的な話になってしまいますが、せっかくなのでこちらの解説もあるとありがたいです。よろしくお願いします。
松戸解剖
2008年06月09日 19:33
いちげんさんありがとうございます。
機能の方はあえて説明しませんでした。近頃は筋電図などで外側翼突筋上頭・下頭の機能もだいぶ分かってきているようですが、不明な点もあるようです。一般的には、外側翼突筋の主な機能として前方運動、側方運動、それに伴う開口、そして、それらに比べると小さいですが、上頭に下顎頭を上へ引く(閉口)機能があるという理解でいいのかと思います。

この最後の機能を説明部分の4.として付け加えればいいのかもしれませんが、それにはかなりの説明や文献が必要となりそうです。今後の課題にしたいと思います。
いちげさん
2008年06月18日 10:59
詳細な説明ありがとうございました。

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