咀嚼筋 その3 内側翼突筋

画像


咀嚼筋の3回目、翼突筋は一般にはほとんど知名度のない筋肉です。もちろん歯科学では重要ですが、一般に知られていない理由としては、普段意識しない、あまり故障も起こらない、表面から触れない、名前が覚えにくい、などがあげられます。

上腕二頭筋、腹直筋など多くの人が知っている筋肉は大きさや形がイメージしやすいのですが、翼突筋となるとほとんどの人が見たことも触ったこともないということで教える方も苦労します。

上の写真は頭蓋骨に紙を張り付けて、咬筋と内側翼突筋を示してあります。咬筋は頬骨弓から起こって下顎角に付きます。内側翼突筋はほぼこの咬筋に平行しますが、場所が咬筋の裏側になります。すなわち下顎骨を挟むようにして外に咬筋、内に内側翼突筋があるわけです。

さて、「翼突」とは「蝶形骨翼状突起」の省略です。蝶形骨は頭蓋底の中央部にある骨ですが、下方に向けて左右一本づつ大きな突起を出しています。これが翼状突起と呼ばれるものです。一つの翼状突起は外側板と内側板およびその間の翼突窩がありますが、内側翼突筋はおもに翼突窩から起こって下顎角内面に付きます。起始部が次回出てくる外側翼突筋の「内側」にあるので、「内側」翼突筋と呼ばれます。

咬筋浅層と似た走行なので下顎を引き上げることが主な役割ですが、多少前方運動に関与します。筋力は咬筋に比べるとだいぶ小さく、咬筋の協力筋として働きます。

国家試験問題過去問例としては次のようなものがあります。

蝶形骨に起始が存在する咀嚼筋は次のいずれか。
(1)側頭筋
(2)咬筋
(3)内側翼突筋
(4)外側翼突筋

選択肢 a (1)(3)(4)のみ  b (1)(2)のみ  c (2)(3)のみ  d (4)のみ  e (1)-(4)のすべて

上の知識から2つの翼突筋は正解になります。選択肢はaとeに絞られますが、側頭筋の前方部は側頭骨の前にある蝶形骨の大翼からも起始するので正解になります。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • エアマックス 95

    Excerpt: 咀嚼筋 その3 内側翼突筋 森を歩こう人体編/ウェブリブログ Weblog: エアマックス 95 racked: 2013-07-10 08:18