ファブリカと筋肉人

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新学期からの解剖学の講義は骨と筋肉が並行して進みます。総論でアンドレアス・ヴェサリウスを紹介しましたが、今日は、1月15日のこのブログの記事で紹介したヴェサリウスの解剖学書ファブリカから第2巻の筋肉を紹介します。

全身の筋をあらわにした男性像がこの章の冒頭にあります。実に見事な図で、すべての筋肉が収縮しているような生命感があります。今でいうボディービルダーのような隆々たる筋肉、解剖学的にもほとんど正確な描写、生きているようなポーズ、これが1500年代の作品ですから、驚かざるを得ません。

第1巻の骨格編に出てくる骸骨人もポーズをとっています。ルネッサンス時代の解剖の絵はヴェサリウス以外にもありますが、皆、死者たちが、感情も心もある絵画の主役として描かれています。ここにその時代背景をみることができます。逆に、現代にこのような解剖学書が出たとすると、グロテスクとして批判を浴びるでしょう。

これらの絵の背景はイタリアのパドヴァの南西にあるエウガネイの丘といわれています。筋肉の図版を並べると丘、谷、河、ローマ浴場、教会、街並み、などが一続きのパノラマの絵のようになります。ここにもルネッサンスの高い芸術性が見られます。

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全身の筋肉ですが、ここで見られるような表層の大きな筋肉に関しては大体名前が言えるようにしておきましょう。




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