解剖学と文学 その8 蘭学事始

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解体新書とともに日本文化史の中に燦然と輝く名著が「蘭学事始」です。言うまでもなく、杉田玄白の著書です。

上は2004年に出版された酒井シズ先生の著書「すらすら読める 蘭学事始」です。各ページの上3分の2に原文が大きな活字で印刷され、漢字にはすべてかなが振ってあります。下には現代語訳が原文と対照的に掲載されています。

本書は講談社の「すらすら読める」シリーズの一つで、このほかには「すらすら読める歎異抄」「すらすら読める方丈記」「すらすら読める徒然草」「すらすら読める奥の細道」などがあります。

いま、名著の音読がはやっているようですが、蘭学事始もその中に入ってきました。解体新書は医学、解剖学を専門とする人たち以外は読むのが大変かと思いますが、蘭学事始は一般の人たちにとっても親しみのあるものかと思います。

私は昭和35年ごろ、中学生の時に教科書に載っていたものを読みました。緒方富雄先生の現代語訳だったと思います。有名な次の個所です。教室の中で立って読まされました。

また、ある日には、鼻のところに「フルヘッヘンドしているものなり」とあるにいたっては、この言葉がまったく分からず、これはいかなる事を言っているのだろうと考えていかんともすることができなかった・・・

原文ではもう少し文語調で、「又ある日、鼻のところにて、フルヘッヘンドせしものなりとあるに至りしに、此語分らず。是は如何なる事にてあるべきと考合しに、如何にともせん様なし。」

活字が大きく、振り仮名があるといかにも大きな声で読みたくなります。少し読んでみました。冒頭の部分です。

「近時、世間に蘭学という事 専ら行われ、志を立つる人は篤く学び、無識なる者は漫(みだり)りにこれを誇張す。・・・・・」

いいですね。文語体の朗読。

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上は蘭学事始に関しては定番となっている緒方富雄先生の岩波文庫版です。いろいろある蘭学事始の写本を総合する形で著者が復元した版を原文として使っています。原文はわずか60ページほどですが、それを超える70ページに及ぶ注釈がついています。さらに50ページほどの解説があり、蘭学事始の研究書として読むことができます。

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