国家試験問題 その5 刺激伝導系

この問題も基本的なことの単純想起です。

問 心臓の興奮(刺激)伝導系はどれか。2つ選べ。
a 心室筋
b 房室結節
c 心室中隔壁
d 心臓交感神経
e プルキンエ線維

「洞房結節-房室結節-房室束-右脚・左脚―心内膜下枝」という錨のような形をした刺激伝導系の形態を思い浮かべられれば半ばできたようなものですが、刺激伝導系には人名用語が多いのが特徴です。

上の順序で人名用語を使うと、「キース・フラックの結節、アショフー田原の結節、ヒス束-右脚・左脚-プルキンエ線維」となります。6人の学者の名前が入っています。

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キース・フラックはイギリスの解剖学者Arthur Keith 1866-1955 と生理学者 Martin William Flack 1882-1931 のことです。論文は、
A. Keith, M. W. Flack:The Auriculo-Ventricular Bundle of the Human Heart.
Lancet, London, 1906, 2: 359. です。

房室結節は、言わずと知れた日本の田原淳博士の発見です。上記の洞房結節と同じく、1906年 Das Reitzleitungssystem des Saugetierherzens という論文を発表しました。アショフはドイツ留学中の田原博士の指導者です。田原の発見はノーベル賞に値する大発見でしたが、当時の政治情勢や日本の国力などからするとやむを得なかったのかと思います。田原淳は帰国後、九州大学医学部教授となりました。九州大学医学部キャンパスには石碑が立っています。また、心臓ペースメーカーの父ともいわれていますが、彼の業績などは下記URLに詳しく書かれています。

http://www.stawara.org/tusin.html

ヒス束のヒスはスイス生まれの Wilhelm His Jr, 1863-1934 で、上記結節の発見より前の1893年に論文を発表しています。

プルキンエはチェコの解剖学者ですが(Jan Evangelista Purkyně)、解剖学ではよく出てくる名前です。有名なのは小脳の神経細胞であるプルキンエ細胞の発見、そしてもう一つが心臓刺激伝導系のプルキンエ線維の発見です。1839年です。

こうして見てくると、刺激伝導系は末梢のほうから発見されていったこと、1900年前後は心臓研究のエポックであったこと、いろいろな人の研究、発見があったことがわかります。

というわけで、正解は田原の結節に当たる房室結節とプルキンエ線維で、b と e でした。
図はA.シェフラー、S.シュミット著、三木明徳・井上貴央訳、からだの構造と機能、西村書店、より引用しました。

この記事へのコメント

伊太利屋次郎
2008年03月04日 12:45
人類学者としてのSir Arthur Keithもお忘れなく。例のピルトダウン人事件にも関わっていますね。
松戸解剖
2008年03月04日 14:45
プレーゴ 伊太利屋次郎様
ご指摘ありがとうございます。どうもそのようですね。こちら、不勉強でキースってどういう人かなと調べていたらそんなことが出ていました。われわれは田原の方に気を取られていますが、Keith、Flack両教授も調べてみると面白いかもしれませんね。

高田 尚一
2012年10月29日 21:55
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高田 尚一
2012年10月29日 22:12
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高田 尚一
2012年10月29日 22:16
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高田 尚一
2012年10月30日 05:01
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