解剖学と文学 その7 ヴェサリウスの柩

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いわゆる推理小説ですが、題名に引き込まれて読みました。麻見和史「ヴエサリウスの柩」、東京創元社、平成18年9月刊行です。

推理小説はあまり読みませんが、題名が題名なので読んでみました。物語自体は完全なフィクションで、最後の方は殺された解剖学教授のと身近な所にいる犯人が次々と出てくるという現実離れした結末ですが、前半の医学部キャンパス、解剖学教室、遺体処置室、研究室の人々、研究内容、さらには献体のことなど、現実のものをかなり忠実に取材しており、そういう意味では読み応えがありました。東京大学をモデルにしており、1日や2日取材しただけでは書けないような、内部に精通した様子がうかがわれます。

鮎川哲也賞を受賞したということは、推理小説として相当レベルが高いということだと思います。確かにこれだけの込み入った筋書きと人間関係や殺人の動機などを考えて書き上げるということは並大抵ではないと思います。架空の話を作り上げるなんてことは我々科学畑の人間ははしたことがないので、そのエネルギーに感心するばかりです。

ヴェサリウスのことも少し出てきますが、メインの筋書きには関係ありません。解剖遺体の腹腔からチューブが出てきて、その中に殺人を予告する詩が封じ込められいたことから事件が始まります。大学特有の人事もこの殺人事件の重要なカギとなります。

内容が内容だけに、皆さんにお勧めします、とは言い難いというのがのが本音です。

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  • レイバン サングラス

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