解剖学と文学 その6 眉山

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歌手のさだまさしが書いた小説です。恥ずかしながらまだ彼の書いた他の小説は読んでいません。この小説は献体のことが書かれているとのことで読みました。

素晴らしい内容です。彼は小説家としても一流と言ってよいでしょう。

徳島を舞台としたこの小説は、母と子の深い愛情を描いた感動のストーリーで、背景に徳島の阿波踊り、人形浄瑠璃など流れ、映像と音楽も同時に進行しているような錯覚に陥ります。

主人公は「神田のお龍」とよばれるちゃきちゃきの江戸っ子で、わけあって徳島で居酒屋をやっていました。きっぷのいい女性です。そして一人娘の咲子は、東京の旅行代理店で働いていますが一人暮らしの母が末期ガンに冒され、看病するうちに、たまだ会ったことのない父や、母親の思いを知るという筋書きです。

娘は母が自分に無断で献体登録をしていたことに腹を立てますが、最後に本当の父を訪ねる旅で理由がわかるという設定になっています。 宮崎大学の学生の解剖実習感想文がそそのまま小説の最後に挿入されていて、献体の意義が一般の読者にもわかるようになっています。

文庫本もありますし映画のDVDもあります。鑑賞してみてください。

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