解剖学と文学 その5

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この本は、林太郎著 「小説・山脇東洋 江戸解剖始記」なのはな出版、1997、です。日本における解剖学の祖である山脇東洋の伝記風小説です。

宝暦4年2月7日の京都のお仕置き場で斬首の刑に処せられた罪人を解剖する迫力ある場面から始まりますが、一転して東洋の若き日から、未熟な手術、結婚、カワウソの解剖、など実録風に進んでゆきます。

著者は山本周五郎とか、司馬遼太郎のような名の通った作家ではありませんが、その筆致や時代考証などは一流作家と変わらない臨場感があり、人間山脇東洋がくっきりと浮かび上がっています。一気に読めます。

解剖学の教科書などに載っている山脇東洋の像とか、堅い経歴などからは想像できない東洋自身の情熱や考え方、生活面での不幸、失望、腑分けの成功、「蔵志」刊行にいたる苦労話などを知ることができます。医学を志す者のあくなき情熱を描いている点で山本周五郎の「赤ひげ診療譚」と通ずるところがあります。






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