解剖学と文学

解剖実習も佳境に入っています。今が面白いところで、またレポートなど大変な時期でもあります。

解剖学を題材にした小説や体験記がいろいろあります。古くは魯迅の有名な「藤野先生」から最近では南木佳士の「医学生」など、随筆など含めると相当数に上ると思います。一度医学を学んで文学に転身した作家は医学的内容の題材が多くなります。渡辺淳一もそうですね。北杜夫にもあります。それらの作品の中には必ずと言っていいほど解剖学実習のが出てきます。やはり教育の過程での解剖学のインパクトは大きいのでしょうね。

魯迅は中国の国民的作家ですから普通の中国人でも「藤野先生」は知っています。日本では医学関係者以外にはこの作品はあまり知られていないようですね。「藤野先生」は魯迅が東北大学医学部で学んだ時に出会った解剖学の教授をそのまま題名にした小説で、とても短いものですが、藤野先生の中国人留学生魯迅に対する教育的熱意、魯迅の母国に対する愛情、医学から文学へ転身する決意、藤野先生に対する深い感謝の気持ちなどが凝縮して表現されており感動的な作品になっています。

われわれ解剖学者としても藤野先生のような情熱を持って指導に当たらないといけないと読むたびに反省させられます。下が魯迅です。「藤野先生」は短いのでネットで全文が掲載されているサイトがありますのでまだ読んでいない人は探してみてください。

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この記事へのコメント

ヒューズ
2007年11月12日 09:57
 文学とは程遠いですが、解剖学者の養老孟司先生の、「バカの壁」はバカ売れした本ですね。
 内容は、なんだか感動も何もない、何でこんなに売れるのは、サッパリ分らない本でしたが、解剖学者が、我々平民にも、広く知り渡った、エポック・メーキングな作品かも知れません。

 余談ですが、養老先生が、東大出版の責任者だった頃の解析学の本を持ってます。
松戸解剖
2007年11月12日 19:39
ヒューズ殿 そうですね。あの本は題名で売れました。養老先生には他にいい本があります。

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